みらいガクに参加したよぉ。

 

 6月18日、梅雨なんてことを忘れさせてくれるほどのお天気な土曜日。私(鴨川)と、國分ちゃんは東京ビッグサイトにいた。『みらいガク』と いうイベントに参加するためだ。みらいガクとは、高校生に向けたイベントで、マイナビが主催している。身近に感じるキーワード(例えば、ものづくりやグローバ ル…)から、大学での学びの広がりを、実際にゼミ・研究室の模擬授業を受け体感してもらい、進路選び のきっかけにしてもらおう、というコンセプトのイベントだ。
就活の合同説明会の大学版、といった感じである。そして今回このイベントに「グローバル」というキーワードの枠で、国立音楽大学が参加することになった。 テーマは、《ケチャをやってみたい》。そのお手伝いをしに、そう、ケチャをやりに、チャチャチャチャ叫びに、私たちは遥々ここまでやってきたの だった。

みらいガク受付の写真

会場に入ってみると、各大学ごとにブースが設けられていて、それぞれパンフレットを置いたり、プロジェクターを設置したりと、準備が始まっていた。今回は東 京近辺の大学36校が参加していて、音楽大学も私たちを含め4校出展していた。
準備を手伝いつつ周りの様子を見てみると、スーツでカッチリ決めてきてるところがあったと思ったら、おそろいのTシャツでわいわいしてるところもあったり… 大学のカラーがとても出ていて面白い。そんな中私たちは、みんな私服で自由な感じ(笑)。ある意味、国音らしくてよかったと思う。
いよいよ開場して、高校生たちが続々と入ってきた。私たちのブースに来てくれるかなぁと不安だったが、『ケチャをやってみたい』というテーマのおかげで、 「あっここだよ、ケチャ(笑)」「ケチャってなんなんですか?」っといった感じに、集まってきてくれた。私たち学生も「ケチャやりませんか~」「ケチャって 知ってます??」「みんなでやったら絶対楽しいし、ストレス発散になるからっ!!」と、呼びこみなのか、客引きなのか…パンフレットを配りまくり高校生に声を 掛け続けたら、一回の模擬授業で20~30人ほど集まる、にぎわうブースになっていた。
模擬授業ではケチャを知らなかった高校生や、はじめは恥ずかしそうにしていた高校生が、一緒にチャチャチャチャ声を出して手を上にして踊ってみると、最後の 方には自然と笑ってくれて、疲れた~ケチャやばい~と言いながらも楽しそうな表情を見せてくれたのが嬉しかった。音楽の、人を惹きつけ楽しませ るパワーを改めて実感させられた出来事だった。

みらいガク国立音大ブースの写真

 今回この『みらいガク』に参加して、この大学で好きな音楽を4年間学んだことはとてつもなく幸せな時間だったと私は感じた。ただただ好きなものにまっすぐ に向き合い続けることができる場なんてそうそうあるものではない。
最近の大学は社会に出て活躍していく事を重視しているところが多い。実際、今回も就職に結びつけたテーマで模擬授業を行っているところが多々あった。本当に それで良いのだろうか?
一度きりしかない人生、自分のやりたいこと、好きなことに夢中になって、自己中になっていいと思う。周りの空気を気にする必要はまったくない。そうしてやっ と、自分の人生に自分で責任を持てる人になれるのだと思った。




~ケチャとは?~

 インドネシアバリ島の民族芸能。上半身裸で腰巻をした男性が車座になり、大人数で「チャ」というような叫び声をリズミカルに繰り返す合唱のようなもので、 独特のエネルギッシュで幻想的な雰囲気をかもしだしている。車座の中心では古代ヒンドゥーの叙事詩ラーマヤーナが演じられ、男性たちはリズムを刻むだけではな く、劇の進行に伴って合唱を行ったり、手や体の動きで劇の背景としての表現も行う。 

 ケチャの合唱は、主旋律を刻むタンブールというパートが、メトロノームのように基本的な四拍子を刻み全体のリズムを保つ。そこにプ ニァチャと呼ばれる四拍子の間に「チャ」を7回叫ぶパート、同じく四拍子の間に「チャ」を5回叫ぶチャク・リマ、6回叫ぶチャ ク・ナムといったように様々なパートが一定のリズムパターンを繰り返し行うことで、全体で「ケチャケチャケチャケチャ」というような16ビート にも聞こえる合唱が生まれる。今回のみらいガクでは野中先生がタンブールとなり、高校生と私たち大学生が「チャ」と叫び一緒に合唱?儀式?を行ったのだった。



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